いつか読んだエッセイの言葉が、ふいに脳裏をよぎります。果たしてそれは小川洋子?川上弘美?と思い、しばらく本棚をひっくり返してはみましたが、ついぞ見つけることができませんでした。ぼんやりとでも、ストーリーの中のこの言葉の前後を思い出せないか、己の脳味噌の中に存在するという 海馬 なる場所に向け、うにょうにょと念力を送ってはみましたが、どうにも記憶をたぐり寄せるために必要不可欠な、ニューロンというか回路自体が破損している模様。無念なり。
私事ですが、今年は人生始まって以来の散々な幕開けで、
どうなることかと先を憂いた春をどうにかやり過ごし、
怠惰な日常にふやけた肉体に、否応なく刻まれる加齢の印に唖然愕然、慌てて体力作りに取り組んだ夏。
突然終わり、突然芽生えた夢と現実を、意外にあっさりクリアし方向修正を成した初秋を過ぎ、
人生始まって以来の最高に幸せな誕生日を迎え、
やがてやってくる晩秋、冬を心待ちにしている私がいます。
波乱に富んだ生き方だねと言われ慣れたこの身をもってしても、さすがに味くーたーな1年。それも残すところわずかひと月余とな?!そりゃあ感慨もまんたきーでありまして。
『人生、楽しんだ者勝ち!』
敬愛する姐さんの口癖は、シンプルな分だけ的を射ているなぁとつくづく思います。姐さんに出逢えたおかげで弾けるようになったギター、知り合えた友人たち、経験できたいいこと、悪いこと(笑)…
いろんなことが、たったウン十年(充分長いよー)の記憶として海馬にぎゅうぎゅうに押し込められているのだ!と思うと、己の後頭部やらおでこやらに手のひらをあてて、
『ここいら辺りはいつの何を覚えているの?』
なんて一人遊びをするのです。
記憶の小箱が開く音。たぶん私は、これがそれなんだ、という音は聞いたことはありません。けれど、深く淀んだ感情の沼から、希望の泡がぶくぶくと湧き上がってきて、パチパチパチパチと弾ける音ならいつも聞こえます。それはたまに音符になって、指を踊らせるのです。
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